★日本の子どもたちが断然トップ!
先日、ネットで、2022年の※PISA調査の結果について、横浜市立大学特任准教授である宮田純也氏の解説を読ませていただきました。
日本の子どもは主体的に学ぶ意欲がない? 学力は高いのに自律学習が苦手な原因(PHPオンライン) - Yahoo!ニュース日本の教育界はいま、明治時代以来およそ150年ぶりの大転換期を迎えています。この流れは日本にとどまらず、世界中で起こっていshare.google
※PISA(Programme for International Student Assessment)
宮田先生は、宇都宮海星学園理事でもあり、日本最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」の創設者で、日本の教育の未来について尽力されている方です。
ただ、その宮田先生のPISA調査結果についての解説が気になりました。
そこで、今回はその宮田先生の分析に対する私なりの感想、意見を述べさせていただけたらと思います。
その前に、まずはPISA調査とはなにか。
PISA調査とは、OECD(経済協力開発機構)が3年ごとに実施する、世界の15歳を対象とした国際的な学習到達度調査です。
PISA調査といえば、かつて、フィンランドが2000年、2003年と、読解力や科学的リテラシーの分野でトップの成績を収め、大きな注目を集めたことを記憶している方も多いと思います。
当時、日本では「フィンランドの教育はなぜ成功しているのか」というテーマで多くの研究や報道がされていました。
しかし、現在は、読解力14位、数学的リテラシー20位、科学的リテラシー9位と低迷しています。
そのPISAの結果で、日本は「科学的リテラシー」2位。
「読解力」3位。
「数学的リテラシー」5位。
3分野すべての順位が世界トップレベルとなっているのです。
しかも、OECD加盟国内だけ(38ヶ国)、つまり先進国だけで比較した結果では、読解力が2位である以外、その他はすべて1位なんです。
素晴らしい成績なんです。
★「詰め込み」?いつの時代の話ですか
しかし、その結果について、宮田先生は次のように述べています。
「日本の教育は、子どもたちに『知識』を身につけさせることには成功した」
一瞬、何がおっしゃりたいのか、その真意を図るのことが難しいのですが、私の捉えが間違っていいなければ、
「日本の教育はいまだに『詰め込み教育』から脱し切れていない」
ということでしょう。

「詰め込み教育」とは、暗記中心に多くの知識を短期間で詰め込む教育方法です。
1970年代ごろまで日本の教育の主流であり、それに対する批判からその後、ゆとり教育に転換したいきさつがあります。
その「詰め込み教育」がいまだに続いている。
宮田先生がそうおっしゃりたいのだと思うのですが、私はこの点には同意しかねるのです。
なぜかと言いますと、PISA調査の目的は、義務教育を終える15歳までに学んだ知識や技能を、実生活でどの程度活用できるかを測ることです。
ということは、単に知識を問うだけではなく、読解力や応用力が求められるからです。
実際に調査問題を見てみるとそうなんです。
ですので、日本の教育がいまだに知識偏重の「詰め込み教育」に偏っていたとしたら、PISAで上位になれるはずがないのです。
★日本の教師の努力を認めよう
たしかに、いまだ「一斉授業」的な授業が多く、個別最適な学習や、探究的な学びが充実しているとは言えません。
しかし、日本の先生方の名誉にかけて述べさせてもらえば、少なくとも日本の教師たちは、
例えば一クラスの生徒数が多かったり、授業の持ち時数が多かったりといった物理的に困難な状況にあっても、
日常の授業で子どもたちに思考させ、判断させ、表現させる授業改善の努力をし続けているのです。
そして、その授業の質も年々高まってきています。
データはありませんが、肌感覚でそう感じるのです。
その結果がPISAに表れている。
そう私は考えています。

ですので、宮田先生のおっしゃる、
「『知識』を身につけさせることには成功した」
といった分析については、少し的外れな気がするのです。
100歩譲って、言いたかったことは、思考力・判断力・表現力を含めた、いわゆる文部科学省がめざす「学力」のことで、
それは実を結びつつあるが、メンタル面について課題がある。
そこに触れるための伏線だったとしたらまだわかります。
仮にそうだとしても、一般の方が、宮田先生の言わんとしていることの行間を読むことは難しいでしょう。
ですので、誤解されないような丁寧な解説を意識すべきであったと思うのです。
ということで、今回はPISAにおける日本の子どもたちの学力は決して「詰め込み」の結果ではないということについて、私の見解についてお話ししました。
次回も引き続き、宮田先生のPISA分析についてお話しします。
日本の子どもたちの「非認知的能力」が低いとする宮田先生の解説についてです。
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