★「定年退職」ではなく「普通退職」の理由
私は、2024年3月、32年間の教員生活を終え「普通退職」をしました。
ここで、わざわざ「普通退職」という表現をしたのには、理由があります。
この年（2024年）から定年が61歳に引き上げられたのです。
そのため、60歳で退職した私は定年退職とはならず「普通退職」となったのです。
「中途退職」と同じ扱いなんですよ。
これから数年かけて、最終的には定年退職の年齢は65歳まで引き上げられていきます。
★「役職定年」のトリック
「定年退職の年齢が伸びたぞ！ラッキー」なんて浮かれていてはいけません。
この裏には、「役職定年」というトリックが隠されています。
「役職定年」とは、60歳の時点で現在の役職が外されるということです。
例えば、校長または副校長、教頭という管理職の役職だとします。
その役職は60歳になると、その「役職」が解かれるということです。
つまり管理職を勤めた方でも、その後は一般教諭、一般職員として働くことになるわけです。
継続雇用や再雇用という形で、60歳から65歳までは働くことができます。
「雇用が継続されるならいいじゃん」
「役職を降りることで、大きな責任から解放され心理的にも楽になる」
そう考える方もいるでしょう。
その気持ちもわかります。
ただし、浮かれていてはいけません。
そこには大きな問題があるのです。
何かと言いますと、給料が約3割減となることです。
初任の頃の額に戻る感じです。
しかも、3割減はフルタイムで働いた場合の話です。
例えば、退職したのだから少し楽になりたいなんて考えて、週3日勤務にしたとします。
そうなると、給与は今の半分以下でしょう。
例えば、手取り46万円いただいていたとしますと19万円とか。
月46万円もらっていた方が、19万円まで減ると、おそらく生活はカツカツになります。
それでも、収入が0になると困りますので、継続雇用か再任用で65歳まで、つまり年金がもらえるまで働くしかありません。
ということで、「役職定年」のねらいは以下の通りです。
・これ以上高い給料は払いませんよ
・でも無収入じゃ困るよね
・だから65歳までは雇ってあげるよ
・その後は年金があるから退職してね
ということです。
「役職定年」とは、言わば、年金の支給が始まるまでの「救済措置」なのです。
★微妙な立ち位置
まあ、それでも、給料があるだけまだいい。
そう思われるかもしれません。
しかし、組織の第一戦から外れることになりますので、やりがいという意味では微妙です。
たとえば、監督だった方がプレーヤーになるようなものですから、体力的にもきついはずです。
また、職員との関係性にも、微妙な距離が生じてきます。
元管理職だった方が、チームの一員として、仲間として受け入れてもらえるでしょうか。
「うまくやってるよ」、元同僚の方々からは、そういう言葉が聞こえてきます。
なので、ほとんどの方はうまくやっていると思います。
しかし、それは、職員が適切な距離感を保って付き合ってくれているからだと、私は思っています。
もし、元管理職といったような雰囲気を醸し出してしまったり、話し合いや会議等で積極的な発言をすることがあったりすると、その空気感は変わってくるはずです。
あくまで「特別な立場の人」なのです。
チームのメンバーとはいえない、微妙な立ち位置です。
おそらく、組織としての「意思決定」には参加してもらいたくない、というのが本音のはずです。
まあ、組織によりけりですが。
ですので、私はどちらかといいますと、60歳での退職をおすすめします。
今までの知見を生かして、早めに次のステージにチャレンジしてもらいたいのです。
60歳が「早め」ですかと言われそうですが、人生100年時代、残りの人生は最大で40年あるのです。
何もしなければ、空虚な日々になります。
逆に、挑戦することで、あと1度人生を輝かせることができるのです。
もちろん、これまでやってきた仕事が心底好きだ。
「救済措置」であってもかまない。
残りの人生も、今の仕事の延長線上で頑張りたい。
そう考える方を否定はしません。
あくまでも、ご自身の新たな素質や能力を開発したい。
そういった方々に対するメッセージであることをご承知おきください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ下記のサイトもご覧ください。
●無料メルマガ登録：https://my142p.com/p/r/A78JnRVw
●note：https://note.com/rosy_stork651/
●音声配信stand.fm：https://stand.fm/channels/66bc4832dc616cb3f4a66474
●X(旧Twitter)：https://x.com/gracia4041
●Instagram：https://www.instagram.com/gracia_okane/
