★次期学習指導要領の「3つの大きな柱」

早いもので、あと3年もすると、また新学習指導要領が導入されます。

次回の全面実施は、小学校が2030年度(令和12年度)頃。

中学校が2031年度、高等学校が2032年度となっています。

これに先立ち、中央教育審議会による答申や新指導要領の告示が行われる見通しです。

ほんと10年なんてあっという間ですね。

とはいえ、この社会変化のスピードが加速している時代に、10年ごとの改定では遅すぎるのではという意見もあります。

何事も慎重であることが日本の良いところでもありますが、慎重になりすぎてスピード感やダイナミックさが欠けているとの意見も聞かれます。

5年ごとに一部改訂するくらいの柔軟性があってもいいように思うのは私だけでしょうか。

ただ、デジタル教科書の導入といった段階的なアップデートが順次進められていることは評価できます。

画像

それはさておき、今回は次期学習指導要領がどのように変わっていくのかについて「3つの大きな柱」に分けて進捗を確認してみます。

現在の教育課程と比較して、次期改訂の核心となるポイントは3点に集約されます。

◆「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実

◆情報活用能力の「基盤化」と生成AIとの共生

◆「ウェルビーイング(幸福)」の追求

それぞれ解説してみます。

★「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実

まず、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実。

意外かもしれませんが、現行の学習指導要領の本文には、「個別最適な学び」「協働的な学び」の文言はありません。

この文言は、令和3年の中央教育審議会答申で初めて示されたものです。

これからの学校教育の核としてICTを活用し、個々の特性に応じた学習(個別)と、多様な他者との学び(協働)を一体的に充実させたいとの意図があります。

令和3年と言えば世はコロナ禍で、学校でも一人一台のタブレットが配布されています。

いわゆるGIGAスクールの始まりです。

コロナ禍で休校になった中、先生が教えて、生徒が学ぶというスタイルが成り立たなくなりました。

また、学校においても、適切なソーシャルディスタンスの確保が求められたため、自学が必要な場面が増えたのです。

そんな中、学校にとっては、一人一台のタブレットが「自学」といった、新たな学習スタイルを確立させたのです。

自学のきっかけはコロナだったかもしれませんが、そもそも画一的な一斉授業スタイルから脱却が求められていました。

画像

しかし、大勢の生徒の個別学習を一人の先生で支援するのはかなり困難でした。

それが、ICTのおかげで、今まで難しかった一人ひとりの理解度や興味に合わせて学習する(個別最適)という学習方法が可能になったのです。

しかし、同時に、協働して学ぶことの重要性も見えてきました。

課題を解決するにあたっては、どうしても個々の叡智を掛け合わせていく必要があります。

多様な仲間と対話しながら、課題を解決する力(協働的)を育むことが、これまで以上に強く求められてきたのです。

個別に学び考え、集団の力でアイディアを昇華させる。

そんなイメージでしょう。

★情報活用能力の「基盤化」と生成AIとの共生

2つめが、情報活用能力の「基盤化」と生成AIとの共生です。

 ICT(1人1台端末)はもはや「特別な道具」ではなく、鉛筆やノートといった「文房具」と同じように、普段使いが当たり前になってきています。

もはやICT使う、使わないといった話ではありません。

今後は、この先にある生成AIを適切に使いこなせるかが、学力の向上、生きる力に直結していく時代になっていくのです。

画像


AIを使って、思考を整理し、判断し、表現するといったメディアリテラシーの育成が全教科で問われるようになってくるわけです。

★「ウェルビーイング(幸福)」の追求

3つめが、「ウェルビーイング(幸福)」の追求

これはかなり抽象的な概念ですが、現在の学校の閉塞感を打破するには必要な理念かもしれません。

日本人が美徳とする謙虚さや勤勉さは残しつつも、これからグローバルに生きていく子供たちにとって、自己主張や主体性はどうしても必要になってきます。

「自分はこういった意見をもっている」

「こうしようと考えている」

「自分には価値がある」

「社会に貢献できる」

こういった「主体性」「当事者意識」を、学校生活を通して実感させたい。

画像

幸福感を持って学べる教育への転換を目指す考え方、私は悪くないと思います。

★その他

そのほかにも、

「子どもの学びと評価の変化」

「社会に開かれた教育課程」

「教員の役割と働き方の変革」

「授業時数の弾力化」

「チーム学校の強化」

などが進められていく予定となっています。

概ね、今後の社会変化に対応した内容となっているように思います。

ただ、学習指導要領が変われば教育が変わる、というほど事は簡単ではありません。

いじめや不登校の問題、保護者対応、部活動など、現在の学校はこれらの諸問題に対応できる人員と権限をもたせられていません。

「教育は100年の計」と言われます。

画像

大げさと言われそうですが、教育の質が今後の国家の行く末を左右するのです。

予算の伴うことですので、簡単ではありませんが、教育関係者だけでなく、すべての方々が教育の今後を支えていただけるよう切に願います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

よろしければ下記のサイトもご覧ください。

●無料メルマガ登録:https://my142p.com/p/r/A78JnRVw

●note:https://note.com/rosy_stork651/

●音声配信stand.fm:https://stand.fm/channels/66bc4832dc616cb3f4a66474

●X(旧Twitter):https://x.com/gracia4041
●Instagram:https://www.instagram.com/gracia_okane/