★不登校の児童・生徒の増加が止まりません

不登校の実情や実態について、よく知らない方は、いろいろ言ってきます。

例えば、

「なぜ、不登校の数を減らせないのか」

「不登校の原因を明らかにして、その対策を打てばいいのに」

「すべてのフリースクールを認めて、出席扱いにしてあげればいい」

などなど。

確かに、不登校の原因が明らかなら対処は可能です。

例えば、いじめられたとか、勉強についていけないとか。

こういった場合、学校も具体的な対応をしていて、登校復帰に繋げているケースも多いと思います。

しかし、残念ながら多くの不登校については、その原因がわからないのです。

「何となくしんどい」

「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」

こんなところなのです。

★何となく不安

文科省の調査でも、不登校の主な要因は「無気力・不安」としています。

「不登校の原因」を聞かれても、多くの場合「わからない」としか言いようがないのです。

保護者も分かりませんし、教師も分からない。

不登校の本人自身も「何となく行きたくない」としか言えない。

不登校の子どもたちですら、内面にあるもやもやを言語化するのは難しいのです。

どのような課題も、その要因が明確でなければ対応策を探せないのです。

的外れな対応をしてしまうと、マイナスの方向に進んでしまうこともあるでしょう。

しかし、だからといって手をこまねいているだけではいけません。

これだけ深刻化している事態を目の前にして、何もしないというのは責任の放棄でしかありません。

要因が分からない場合は、とりあえず仮説を立てて何かやってみるしかないのです。

そして、現在、文科省はもとより、全国の自治体や学校で、様々な取り組みが展開されています。

その一つが「学びの多様化学校」です。

★「学びの多様化学校」とは

「学びの多様化学校」は、以前は「不登校特例校」と呼ばれていました。

学校教育法施行規則第56条等に定められた文部科学大臣による指定により、不登校児童生徒の実態に配慮した「特別の教育課程」を編成・実施できる特例が認められています。

将来的には全国で300校の設置を目指していますが、2025年4月時点で、全国で58校と、少しずつではありますが増加してきています。

ただ、残念なことに利用できる児童生徒はまだ一部にとどまっているようです。

課題として、まず立地の問題があります。

通いたくても、学校の数が少ないので、遠方からの通学になることもあるでしょう。

そうなると、送迎を保護者が負担することになったりと、家族の負担が大きくなります。

また、いくら教育課程をいじったり、学び方を多様化しても、そもそもの話ですが、不登校児童生徒にとっては、学校という場所に対して心理的な抵抗がある場合が多いのです。

ということもあり、必ずしも、すべての不登校児童生徒に受け入れられている状態ではないのです。

★「ごめんなさいって思ってます」

私が教育行政に勤めている時に面談した、小6の不登校の女の子は、こんなことを言っていました。

「本当は学校に行きたい」

「私のことを心配してくれている友達や学校の先生、お父さんお母さんのことを思うと、心が苦しくもなりますし、ごめんなさいって思っています」

「だから、前日の夜は『明日は学校に行くぞ』って決めるのです」

「でも、翌日になって、学校の校舎や通学路を頭に浮かべるだけで体が硬直するんです」

聞いていて胸が痛みました。

この女の子の言葉からも、不登校の解決がいかに難しいかが分かりますよね。

どうにかしたい、変わりたいと苦しんでいる子も多いということです。

ですから、立ち止まっているわけにはいかないのです。

「学びの多様化学校」は完璧ではないかもしれませんが、できることを、できるところからやっていくしかありません。

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