★放っておけない

今回は「面倒見のよすぎる我が子の悩み」についてお話しいたします。

以前、ある保護者の方から相談を受けました。

その子のお子さん、仮にAさん(女の子)としておきましょう。

Aさんは、親が言うのもなんですけれども、と前置きをしながら、とても優しい子で、困った子がいると、放っておけない性格とのことでした。

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小学校3年生の時、その子の学級に周りになじめず、なかなか友達のできない子がいたそうです。

この子を仮にBさんとしておきます。

Aさんは、そのBさんのことが可愛そうで、放っておけなくて、いつも声かけをして遊んであげたりしていたらしいのです。

おかげでBさんは、楽しく1年を過ごすことができました。

小学校では、通常、仲の良い子同志は、次の学年で別の学級になってしまうことが多いのです。

学校としては、特定の仲間で固定されることなく、人間関係を広げてあげたい、そういった意図などがあるからです。

しかし、Aさんの場合、何故か、4年生に進級した時も、Bさんと一緒の学級でした。

もちろん、Aさんは4年生になっても、なかなか友達ができないBさんのことを、気にかけながら寄り添ってあげていたそうです。

それまではまだ良かったのですが、5年生に進級すると、なんと、またBさんと同じ学級だったらしいのです。

★気疲れし不登校に

Aさんは優しい子ではありますが、正直、2年間で気疲れしたのでしょう。

5年生になって1か月後くらいから、学校に行けなくなってしまったのです。

加えて、Aさんが学校に来られなくなったことで、Bさんは話し相手がいなくなり、その後、不登校になってしまったというのです。

なぜ、こういった悲劇が生まれたのか。

それは、担任が周りになじめないBさんの世話役を、Aさんだけに委ねてしまったからです。

支え合う学級づくり。

思いやりのある仲間づくり。

学校は、こういった理想を掲げて頑張っています。

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それはそれで大事なことです。

しかし、その理想を安直な方法で体現しようとすると、こういった悲劇が生まれます。

さて、ここからが、私がその保護者に行ったアドバイスです。

まず、すぐに担任の先生に相談に行き、3年生から今までの経緯を詳しく話すこと。

そして、できれば、BさんがAさん以外の子たちとも関われる環境づくりをしてほしい旨を担任に伝えること。

心は痛いのですが、Bさんが不登校である期間中に学校に登校するようAさんを励ますこと。

たとえ、Bさんが登校してきても、学校にいる間、四六時中B子さんのそばにいる必要はないことを伝えること。

また、Bさんを支えるのは、Aさんだけではなく、学級の仲間みんなでやるべきことだということを話し、理解させること。

以上です。

★小学校あるある?

その保護者は、私からのアドバイス通り、すぐに担任に相談しにいきました。

幸いなことに、この5年生の担任の先生は、学校でもリーダー格の優秀なベテラン教師でした。

その保護者の要望を受け入れてくれたどころかAさん、そしてご両親がずっと悩まれてきたことに対して、学校として申し訳なかった旨のお話をされたとのこと。

この言葉からも、この担任の先生の優秀さがわかります。

ご両親も、この先生なら何とかしてくれそうだと思ったそうです。

そして、その期待通り、Aさんは再び学校に登校するようになりました。

Bさんに関しても、登校できるようになっただけでなく、Aさん以外の子たちとも関われるようになったのです。

それからは、AさんとBさんは、程良い距離感で今まで通りの友達関係を継続できたとのことです。

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もちろん、6年生に進級したときには、AさんとBさんは、別々の学級になったということです。

このケースは、ハッピーエンドで終えることができたのでまだ良いのですが、おそらく似たような事例は日本中の学校であるはずです。

まさに、小学校あるあるです。

孤立感を感じる子が学級にいて、その子に対して優しい声かけや面倒を見てくれる別の子がいた場合、次の学年でも同じ学級に配置する。

一見、優しい対応に思われるかもしれませんが、今回のケースからもわかるように、いろんな意味でよくありません。

さすがにベテランの先生はこういうことをしませんが、若くて経験の浅い先生になると、こういった短絡的なことをしてしまいがちです。

こういった優しいお子さんのケースの場合、かなりの確率で保護者の方も大変心優しい方が多いものです。

優しさゆえに、担任の先生を悩ませてはいけないなどの配慮が働いてしまうのでしょう。

なかなか相談に踏み切れず、悩まれているケースが多いように思います。

ですので、似たようなケースに悩まれている保護者の方がいましたら、遠慮することなく、すぐに担任に相談してください。

そして、あまり頼りにならない担任だと判断した場合は、学年主任、または学校長と話すことをおすすめします。

最終的にお子さんを守れるのは保護者しかいません。

頑張ってください。

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