★信託の登場人物は3人!

家族信託について、前回の続きです。

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「家族信託」を一言で言うと、自分、または親の財産を、信頼できる家族に託して管理してもらう契約のことです。

なぜそのような契約が必要かと言いますと、自分、または親が認知症になってしまうと、すべての財産が凍結されてしまうからです。

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では「家族信託」とはどのような制度なのか。

前回は、「投資信託」とほぼ同様の制度である旨はお話ししましたが、投資をしていない方のために、イメージしやすいように、ちょっと事例を出して説明してみます。

家族信託には、いつも3人の登場人物がいます。

一人目が委託者(いたくしゃ)

財産を託す人。 

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自分だったり、親だったりします。

「私の資産を適切に管理してね」

って頼む本人のことです。

二人目が「受託者」。

財産を預かって管理する人。

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多くの場合、子供がその役割を果たします。

親から預かったお金や家といった資産を、契約通りに動かす「管理者」です。

三人目が「受益者」。

財産が生み出した利益を受け取る人のこと。 

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多くの場合は、「親本人」になります。

つまり、資産は「受託者」である子が管理して、家賃収入とか年金とか、利益は「受益者」である親本人が受け取れる、ということです。

★「家族信託」をしていた方が良い理由

では、なぜこのような契約を結ぶかということです。

これはリスクヘッジです。

リスク管理、危機管理です。

なんのリスクへの対応かと言いますと、親が認知症になったり、入院したりして動けなくなったりした場合への備えです。

親が認知症になったり、入院したりして動けなくなったりすると何か起こるかと言いますと、「財産の凍結」です。

「財産の凍結」とは、認知症などにより本人の判断能力が失われたと判断された場合に、その財産について、本人の意思確認なしに家族を含め誰も動かせなくなることを指します。

「財産の凍結」の具体例としては以下の通りです。

・親の銀行口座からの現金引き出し・振込みができなくなる。

・親の公的年金が使えなくなる。

・親の不動産の処分・管理ができなくなる。

・親の株式・投資信託の売却ができなくなる。

親が認知症になったり、重篤な病で入院した場合などの場合、むしろ本人のお金(財産)が必要になります。

それなのに、それらが使えない。

これって理不尽ですよね。

しかし、法律の建付けとしては「本人の財産を守る」「誰かに勝手に使われてしまうことを防ぐ」ためなのです。

こうなってしまうと、できることは「成年後見制度」しかありません。

しかし、この制度はあまりに使い勝手が悪すぎて、ほぼ役に立ちません。

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なので、親に何かあった時のためのリスクヘッジとしておすすめしているのが「家族信託」なのです。

まだ利用者が多いとは言えない、この「家族信託」ですが、かなりメリットがありますので、それを列挙しておきます。

★家族信託メリット1 認知症になっても「財産が凍結されない」

親が認知症になって判断能力を失うと、銀行は親名義の預金口座を「凍結」します。

なので、年金が入金されても、それを使えなくなります。

もちろん、定期預金も下ろせません。

ましてや親の不動産を売買することはできません。

つまり、親が入院したり、介護施設に入居することになっても、その費用を子や孫が賄うことになってしまうということです。

しかし、事前に「家族信託」をしておけば、財産の管理は子が行うことになります。

ですので、親の通帳からお金を引き出すこともできますし、不動産の売買も可能になるわけです。

★家族信託メリット2 家族が管理するから「柔軟」で「低コスト」

前述した通り、認知症対策として国が用意している「成年後見制度」は、手続きが複雑で、裁判所が選んだ専門家(弁護士や司法書士)が後見人になることが多い。

そうなると、毎月その専門家に「後見人報酬」を支払わなくてはなりません。(月2万円~6万円)

成年後見人の費用はいくら?毎月の報酬や支払い期間をわかりやすく解説 - 日本クレアス相続サポートセンター成年後見制度の費用について知りたい方は必見! 本記事では成年後見人の報酬や制度全体にかかる費用を解説しています。 実は成年creas-souzoku.com

さらに、不動産売買などは、裁判所の許可が必要ですので、時間がかかる上に家族の希望通りの価格にならないなど柔軟に取り組むことが困難です。

それが家族信託なら、報酬は発生しませんし、柔軟に親の財産を動かすことができます。

★家族信託メリット3 何世代にもわたって「財産のバトン」を渡せる

家族信託には、「遺言書」の機能も備わっています。

しかも、財産の承継先を二次相続、三次相続まで細かく設定できるのです。

例えば、この家は、まずは母さんの生活のために使い、母さんが亡くなったら、次は長男の生活のために使い、長男が亡くなったら、孫にあげる、といった設定。

被相続人の意志が反映されていますよね。

これって遺言書も同様であり、さらに遺言書を超えた信託ならではの機能です。

このように、「家族信託」は、親の認知症対策としては、かなり使い勝手の良い、メリットの多い制度となっています。

しかも、親の判断能力のあるうちに遺言書の代替ともいえる信託契約を結ぶので、ある意味、相続争いを防ぐこともできるのです。

まあ、このように万能に見える「家族信託」にも弱点はあります。

その弱点については次回。

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