★検証と改善のサイクルが機能している日本の教育
今回は、日本の教育批判につねに付きまとう、「学力競争」「画一的教育」といった批判は的外れであるというお話をします。
文部科学省が毎年実施している全国学力・学習状況調査(以下、全国学力テスト)。
その目的は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上を図り、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、
教育施策の成果と課題を検証、そして学校現場における教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることにあります。
かつて、この調査は昭和36年から46年までの11年間、小学6年生と中学3年生を対象に、国語・算数(数学)の学力を測定していました。
その結果、都市部と農村部、あるいは地域ごとに学力のばらつきが大きいことが明らかになったのです。

しかし、現行の学力調査の結果を見ると、そうした地域間の学力差は著しく縮小しています。
これは、日本の教育施策が一定の成果を上げてきた証左と言えるでしょう。
さらに、OECDが行っている学習到達度調査(PISA)における課題を踏まえ、学習指導要領の修正等が行われた結果、今日、日本の子どもたちの学力は
世界的に見てもトップクラスの水準にあります。
この検証と改善のサイクルを支えているのが、他でもない全国学力・学習状況調査なのです。
★なのに批判される文科省、全国学テ
しかしながら、この文科省の重要な施策、そして全国学力テストに対して、批判的な意見が存在することも事実です。
その主な理由は二つ。
「競争の激化」と「教育の画一化」です。
本稿では、これらの反対意見に対し、冷静かつ客観的な視点から
再考を促したいと思います。
★反対理由1「競争の激化」・・・それは誇張です
学力テストの結果が公表されることで、自治体・学校間での「序列化」が進み、競争が激化する。
こういった主張があります。
確かに、一部報道機関が結果をランキング形式で報じることで、自治体や学校関係者が動揺し、競争意識が生まれる可能性は否定できません。
しかし、「競争が激化する」という表現は、明らかに誇張されたものです。

多くの学校現場では、テスト前に多少の対策を行う程度であり、それはあくまでテストの雰囲気や出題傾向に慣れさせるためのウォーミングアップに過ぎません。
高校や大学入試における模擬面接と同様、子どもたちが持てる力を最大限に発揮できるよう促すためのものです。
毎日のようにテスト対策に時間を費やしているわけでもなく、また、そのような時間的余裕も学校にはありません。
もし、一部の自治体や学校で過度なテスト対策が行われているとしたならば、それは個別の課題として是正すべき問題であり、調査そのものの意義を否定する理由にはなり得ません。
一部の課題を針小棒大に捉え、調査全体を問題視する論調には、首肯しかねるものがあります。
★反対理由2「教育の画一化」・・度を越したステレオタイプ批判
「テスト対策に時間や労力が割かれ、教育が画一化する」
「『学力=テストの点数』と捉えられ、思考力や表現力といった非認知的能力の育成が軽視されがちになる」
「子どもたちの個性や多様性を重視した教育が後回しになる」
いつの時代の話をしているのかと呆れてしまいますが、こういったステレオタイプな批判も根強く存在します。
しかし、これらの主張は、教育の本質、そして学力テストの目的を十分に理解しているとは言えません。
個性や多様性を尊重する教育は、決して基礎学力と対立するものではなく、むしろその上にこそ成り立つものです。
子どもたちが自らの考えを持ち、それを豊かに表現するためには、読み書き、論理的な思考力といった土台となる確固たる力が必要不可欠です。
全国学力テストの出題内容は、教科書に沿った基礎的・基本的な内容に加え、知識や技能を活用して課題を解決する力、そして、思考力や表現力を
問う記述式の問題も含まれています。
さらに重要なのは、この調査が単なる正答率だけでなく、児童生徒の学習習慣や生活状況も併せて調査している点です。
たとえば、学力の高い児童生徒の傾向として、
・朝食を毎日食べる習慣がある割合が高い
・自分で計画を立てて学習に取り組む割合が高い
・話し合いなどで相手の話を最後まで聞くことができる傾向が高い。
・自分には良いところがあると思っている割合が高い。
こういったデータが示されています。

こういった調査内容を知っても、非認知的能力の育成が軽視されていると言うのでしょうか。
むしろ、学力テストは、学力という目に見える側面に加え、その背景にある
生活習慣や学習への取り組みといった非認知的な要素との関連性を示唆しているのです。
★教育の分野では「にわか理想論」が横行する
私は、日本の教育が非の打ちどころのない完ぺきなものだと言っているわけではありません。
むしろ、まだまだ解決しなければならない課題が山積みです。
しかし、かなりうまくいっている国の一つだと考えているのです。
子どもたちの客観的なデータに基づいて現状を分析し、課題を見つけ、常に具体的な改善策を打ち続けているからです。

全国学力テストは、そのための貴重なデータである、決して子どもたちの個性や可能性を狭めるものではありません。
感情的な批判やステレオタイプ的な批判に惑わされることなく、客観的なデータに基づいた冷静な議論を通じて、我が国の教育、そして学力調査の成果を評価すべきだと思うのです。
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