★各分野で起きる問題① 医療と介護

今回は「2040年問題」で、各分野で実際にどのようなことが起こるのか。

そして、そこに向けてどのような準備が必要なのかについてお話します。

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まず考えたいのが「医療と介護」です。

2040年の日本では、65歳以上の人口が約3,900万人。

高齢者が増えれば、当然、医療や介護を必要とする人も増えていきます。

しかし、ここで問題があります。

「医療や介護をする側の人間も減っていく」

ということです。

例えば、あなたの親が80代になったとしましょう。

病気になり、入院する。

退院後は介護サービスが必要になる。

ところが、介護施設に問い合わせても、

「現在、職員不足のため、すぐには受け入れられません」

と言われることでしょう。

不安を煽っているわけではありません。

厚生労働省によると、介護職員の必要数について、2022年度が約215万人。

それに対して、すでに2026年度現在、約240万人となっています。

そして、2040年度には約272万人が必要になると推計しています。

2022年度から2040年度にかけて、約57万人多くの介護職員が必要になる計算です。

57万人とは、栃木県宇都宮市の人口とほぼ同数です。

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「介護をされる人は増える」

「介護をする人は不足する」

という、非常に難しい状況が生まれます。

これは介護だけではありません。

看護職についても、同様のことが起こります。

厚生労働省は2040年を見据えて、以下のような検討を行っています。

AIによる診断支援。

介護ロボット。

オンライン診療。

遠隔での健康管理。

センサーによる見守り。

業務のデジタル化。

などが、今以上に進むでしょう。

しかし、人間がまったくいらなくなるということはありません。

抜本的な対策が必要でしょう。

★各分野で起きる問題② 交通と物流

次に、交通と物流です。

想像してみてください。

あなたが70歳になったとします。

車の運転に不安を感じるようになった。

病院に行きたい。

買い物にも行きたい。

ところが、地域のバス路線が減っている。

タクシーもすぐには来ない。

これは、高齢者にとって非常に深刻な問題です。

人口が減れば、公共交通機関の利用者も減ります。

利用者が減れば、事業として維持することが難しくなる。

つまり、

「高齢者は移動手段を必要としている」

「それを提供する人が足りない」

ということになります。

物流も同じです。

2024年からトラックドライバーの時間外労働規制が強化されました。

いわゆる「物流の2024年問題」です。

国土交通省などの資料では、対策を講じなければ、2024年度には輸送能力が約14%、2030年度には約34%不足する可能性があるとされました。

実際、2026年時点で、ドライバー不足による輸送力不足が続いています。

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少し荷物が届くのが遅くなっていることに気づいている方も多いと思います。

今後さらに厳しい状況になっていくでしょう。

ただし、業務効率化も進められています。

将来的には、以下のようなことも現実的になるでしょう。

自動運転。

ドローン配送。

無人搬送。

共同配送。

鉄道・船舶へのモーダルシフト。

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車による貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶などの利用に転換することです。

こうした技術や仕組みが、今より身近になっている可能性があります。

しかし、それでも最後には「人」が必要です。

★各分野で起きる問題③ 産業と働き方

では、企業はどうなるのでしょうか。

これまで企業にとって最大の課題は、

「どうやって商品を売るか」

でした。

しかし、これからは、

「どうやって人を確保するか」

が同じくらい重要になります。

リクルートワークス研究所は、2040年に約1,100万人の労働供給不足を予測しています。

こうした課題に対して、将来の採用状況も変わらざるを得ません。

「60歳だから採用しない」

「70歳だから働けない」

なんていう考え方は成り立たなくなります。

例えば、週3日だけ働く60代。

午前中だけ働く70代。

専門知識を生かして月数回だけ仕事をする人。

オンラインで地方から都市部の企業の仕事をする人。

定年後に小さな会社をつくる人。

こうした働き方が増えていくでしょう。

実際に65歳以上の労働者は今も増え続けています。

2026年現在、65歳以上69歳未満の2人に1人が働いています。

2040年には、「70歳現役」が当たり前の時代になるかもしれません。

50代の方々は、その準備が必要でしょう。

ここで大切になるのが、

「何歳まで働けるか」

といった体力的、健康の問題だけではなく、

「何歳まで必要とされるか」

という視点です。

30年間営業を経験した人。

学校現場で30年間働いた人。

製造業で40年間技術を磨いた人。

経理を30年間経験した人。

介護現場で20年間働いた人。

こうした人が持っている「経験」は、AIでは代替できないものです。

これは50代、60代にとって、大きなチャンスだとも言えます。

とはいえ、時代に応じた知識やスキルも必要になってきます。

そういった意味で、リスキリングは欠かせません。

若いころ以上に、学び続ける姿勢が求められます。

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