★教育機関は新陳代謝が起きにくい構造

今回は、学校における管理職の役割について少しお話をしたいと思います。

皆さんの勤めている学校の校長先生はどうでしょうか。

優れた校長先生でしょうか。

それとも、どうして管理職になったのかと疑ってしまうような力不足の校長先生でしょうか。

学校に限らず、あらゆる組織において、リーダーの存在というのは、組織の存亡を左右します。

ですので、学校においても優れたリーダーがトップに立っていれば、教職員も子供たちもそれぞれの力を発揮することができますし、何より安心して毎日を過ごすことができます。

しかし、学校においては、リーダーの役割を果たしているとは言い難い校長先生も多く存在しています。

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「民間企業も似たようなもんですよ」とおっしゃる方もいるかもしれません。

しかし、どちらかと言うと、学校の方がその割合が多い気がするのです。

なぜかといいますと、民間の企業においては、管理職の力不足が業績悪化、最悪の場合、倒産につながってしまう可能性すらあります。

ですので、結果の出せない管理職は、いずれ交代させられたりします。

民間企業では、そうした人事の新陳代謝が起こるわけです。

しかしながら、学校においては、校長が力不足であろうが、業績が悪化しようが、交代させられるという事はほぼありません。

そもそも、学校の場合、何をもって業績が悪化したと判断するのか、その基準が曖昧だからです。

新陳代謝が起きにくい構造になっているのです。

とはいえ、力のない校長がトップに立った時、教職員は苦労しますし、疲弊します。

学校という組織は、子供の成長が促されていれば、その勢い、エネルギーが学校全体を下支えしていきます。

そのことにより、教職員も自己効力感を得ることができますし、子供の支援がさらに加速していくわけです。

こうした子供の成長エネルギーと教師のやりがい感が相乗効果となって、組織全体の安心安全につながっていくのです。

そういった学校の状況にしていく上で、管理職、特に校長先生の役割は何よりも重要になっていくのです。

ですので、管理職、特に力のある校長先生を育て増やしていくということが、今後の日本の教育における鍵だと私は考えています。

★「プレイヤー」から「マネージャー」へ

では、なぜ、日本においては、管理職としての校長職の能力を伸ばしきれていないのか。

それは、研修機会の少なさ、これにつきます。

本来、管理職に対しては、新人、初任者以上に質の高い研修が求められるはずです。

私はそう思っています。

なぜなら、一般教諭から管理職への昇進は、求められる役割が180度変わるからです。

実はこのタイミングは、キャリア最大の難所なのです。

例えば、新人教育とは、更地に新たな建物を建築するようなものです。

ゼロからの構築が可能です。

一方で、管理職は、すでに存在する建物の機能を新たにリフォームしていく作業になります。

どちらが難しいかは、火を見るより明らかです。

機能の転換、リフォームとは何を指しているかと言いますと、「プレイヤー」から「マネージャー」への役割転換です。

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今まで、直接子供の教育を担ってきた立場から、子供の教育を行う教職員集団をまとめていく立場になっていくのです。

これは、思っている以上に大きな役割の変化で、適応するのにかなりの準備と時間が必要です。

ですので、民間の企業においては、管理職の育成研修にはかなり重点が置かれています。

★民間企業における管理職研修

例えば、富士通グループでは、一般社員(プレイヤー)としての成功体験が、管理職の仕事では通用しないことを認識させることを重視しています。

「マネージャー・シフト」演習という研修を中心に、自ら手を動かすのではなく、部下に任せて成果を出すことの重要性を徹底的に学びます。

 合宿形式や年間を通してオンラインとオフラインを組み合わせた形式で行われるようです。

また、大手某金融機関では、「情報漏洩」「顧客からのクレーム」「部下による不正行為」といった具体的な金融リスク事例を基に、管理職として取るべき初動対応と報告義務についてロールプレイングを行います。

さらに、急成長中の、あるIT・サービス企業では、 部下の自律的な成長と生産性の最大化が求められるため、コーチングと1 on 1の実践研修が行われています。

このように、民間企業では、その業務の特性や、管理職に求めるリーダーシップ像に応じた研修が行われています。

また、スポーツ界でも、日本サッカー協会のように、スポーツマネジメントに関する研修や資格制度を設けている例もあります。

で、私はどうだったかと言いますと、大多数の管理職同様に、かなり苦労しました。
それで、民間企業のマネジメント本を、かなり読んで学習しました。

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成果を出している先輩校長にお会いし、その極意を学んだりしました。

そのことにより、ある程度、学校におけるマネジメントの在り方、スタンダードを確立できたのではと思っています。
それをまとめた本がこちらです。

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ぜひご一読ください。

ということで、今回は、、、というお話をしました。

学校の管理職の皆さんも頑張ってください。

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