★銀行の「外貨定期預金」は旨味がない
前回は、「銀行の外貨定期預金」についてお話しました。
https://note.com/embed/notes/n7d1da813508f
結論から言うと、退職金の運用に「銀行の外貨定期預金」はお勧めできません。
理由は、「とにかく手数料が高い」ということに尽きます。
あまり運用の旨味を享受できません。
では、他に外貨を活用した運用方法はないものでしょうか。
あります。
それが、証券会社を通して行う「外貨積立」「FX外貨積立」です。
これなら退職金の運用としてお勧めできる要素があります。
今回はそのことについてお話します。
★証券会社を通して行う「外貨積立」
まずお話しておきますが、
「銀行の外貨定期預金」
「証券会社の外貨積立」
いずれも円を外貨に換えて保有するという点では似ています。
しかし、構造はかなり異なります。
「銀行の外貨定期預金」は、あらかじめ預け入れる額と期間(満期)を決めて預金します。
その間、銀行はその資金を運用し、預金者に利益を還元します。
この収益構造は、日本の定期預金と同じですし、容易に理解できます。
しかし、証券会社を通して行う「外貨積立」「FX外貨積立」は、「定期預金」とは収益構造が異なるのです。
まず、証券会社を通して行う「外貨積立」から説明します。
証券会社の外貨積立は、端的に言いますと
「外貨を買い集める仕組み」

です。
例えば、投資信託の積立と同じような感覚で毎月1万円、3万円などを自動でドルに換えて積み立てます。
で、何で儲けるのか。
収益源は「為替差益」です。
例えば、平均120円で買ったドルが160円になれば、40円分の利益になります。
安く買って高く売ることが利益の中心となります。
基本的には、円安になれば利益、円高になれば損失、という構造です。
例えば、毎月積み立てた平均取得レートが1ドル=130円だったとします。
その後、150円になれば利益になり、130円なら収支ゼロ、110円になれば損失となります。
ただし、ここで注意したいのは、
「円安にならないと儲からない」
のではなく、
「購入時より円安にならないと儲からない」
ということです。
例えば、150円で積立開始し、120円まで円高になり、その後140円まで戻るというケースを考えます。
ドルコスト平均法で積み立てているため、平均購入レートは130円程度まで下がっているはずです。
その場合、150円で積立を始めていても、140円まで上がっても利益になります。
★証券会社の「外貨積立」事例
Aさんは、2015年から、毎月3万円、2025年まで10年間積立を行ってきました。
総投資額は360万円です。
積立期間中は大きく円安に進行する局面でした。
1ドル=80円台の時期もあり、トータルの平均取得レートは約100円になりました。
購入したドルの平均取得価格100円に対し、160円で評価されるため、約60%の為替差益が発生します。
360万円で購入したドル資産は、約576万円相当となり、利益は約216万円になったのです。
このように、円安に進むと資産が増えていきます。
ただし、円高に進んでしまうと資産を減らしてしまう可能性もあるので、常に為替の動きに注意を払っておく必要はあります。
なんにしても、退職金のすべてを「証券会社の外貨積立」で運用するのは得策ではありません。
あくまで分散資金の一部として考えてください。
それで、銀行ではなく、どうして証券会社かというところです。
大きな違いは手数料です。
証券会社の手数料は、銀行の数分の一から数十分の一です。
長期間積み立てるほど、この差は無視できなくなります。
毎月3万円ずつ10年間積み立てるとします。
すると、手数料は、
銀行が約48,000円
証券会社が約4,800円
差額は43,000円にもなります。

ということで、外貨積立を考えるなら、証券会社の方が断然いいですよということです。
次回は「FX外貨積立」について解説します。
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