★意外に知られていない「地方債」
「国債」と似たような債券で、「地方債」というものがあります。
「地方債」とは、国ではなく都道府県や市町村が発行する債券です。
「国債」が国に対する債権であるのに対し、
「地方債」は「自治体」への債券ということになります。
仕組みはほぼ同じです。
例えばある県が新しい病院を建設したり、道路を整備したり、防災対策を進めたりするときには、多額の資金が必要になります。
税金だけでは賄えない。

その資金を集めるために地方債が発行されます。
地方債を購入することで自治体にお金を貸し、その見返りとして利息を受け取ることになります。
★実際の利回りはどのくらい?
2026年現在、個人が購入できる地方債の利回りは、おおむね年1%~2%程度です。
【2026年最新】地方債・県債の利率ランキングTOP15|166銘柄比較と買い方 | 投資のエトセトラ地方債・県債の利率を令和7年度発行166銘柄から比較。10年債TOP15、最高利率2.416%の銘柄、月別の利率推移、買いtateru-funding.jp
もちろん発行時期や期間によって異なります。
参考までに、2026年6月現在、
・普通預金 約0.2%前後
・定期預金 約0.3~1.0%程度
・個人向け国債(変動10年) 約0.8~1.5%前後
・地方債 約1~2%前後
という水準です。
若干ですが、国債よりも地方債の方が利回りがいいですね。
これは、意図してそうしています。
そうでなければ、地方債が不利になってしまうことは明らかですから。
★500万円を地方債で運用した場合
では、地方債でシミュレーションしてみます。
例えば500万円を、
地方債、利率1.5%で運用したとします。
年間の利息は、500万円 × 1.5%=75,000円になります。
10年間保有した場合、75,000円 × 10年=750,000円となります。
月平均にすると、約6,250円です。
「たった6,250円か」と思う方もいるかもしれません。
それでも、月々のケータイ代くらいにはなります。

しかも、元本500万円は満期時に戻ってきます。
★地方債の良さ
国債より少しだけ利回りがよい。
その他にも違いはないのか。
地方債の魅力をひねり出してみます。
まず、地方債を買うことは、「地域への貢献」になります。
例えば、あなたが広島県の地方債を購入したとします。
その資金は、学校建設、病院整備、防災対策、道路整備、子育て支援施設などに使われます。
「この道路は自分のお金の一部で整備されたかもしれない」

という実感を持つことができます。
う~ん。
これでも少し弱いかもしれません。
では、「グリーン地方債」という選択をしてみてもいいかもしれません。
これは環境改善事業に限定して使われる地方債です。
例えば、 太陽光発電設備、EVバス導入、森林整備、河川保全、省エネ施設建設などに資金が使われます。
単に利息を受け取るだけでなく、未来の環境づくりに参加できる点も魅力です。
利回以外に、国債を上回る利点というと、このようなことかもしれません。
★金利上昇中の現在、「地方債」で注意すべき点
さて、ここから重要なことをお話しますので、メモをご用意ください。
まず、現在、日本においては金利が上昇する局面に入ってきています。
長年のゼロ金利政策を脱し、新たな踊り場に入ってきました。
このような金利上昇局面での戦略としては、
「地方債の時間分散投資」
をお勧めします。
なぜかと言いますと、
まず、債券の利回りは市場金利に連動します。
そうなると、今後さらに金利が上昇することが予想されます。
新たに発行される地方債の利回りも、少しずつ高くなる可能性があるからです。
地方債は固定金利です。
なので、後に発行される地方債の方が、金利が高くても、すでに持っている地方債の金利は変わりません。
一度購入すると、その期間は金利が固定されます。
一般的に地方債は5年〜10年以上が満期となります。
ゼロ金利の時代なら、むしろ固定の方が良かったかもしれません。
しかし、今後の金利上昇を考えると、新たな戦略が必要でしょう。
それが、「時間分散投資」。
いわゆる「債券版のドルコスト平均法」です。

では、シミュレーションしてみます。
例えば、500万円で地方債を一括購入した場合。
利回り1.5%だとすると、年間利息は7万5000円です。
その後、金利が上昇し、半年後に2.0%の地方債が発行されたとします。
その場合、年間利息は10万円です。
その差は3万円にもなります。
なので、分散購入します。
2026年6月、500万円、利回り1.5%で地方債を購入。
2026年12月に、500万円を利回り2.0%で購入します。
すると、年間の利息は17万円5000円になります。
一括購入より年間2.5万円多く受け取れます。
もっと細分化してもいいかもしれません。
例えば、今月300万円、半年後300万円、1年後400万円とか。
購入時期をずらすことで、
「もっと高い利回りで買えたのに…」
という後悔をしなくてすみます。
もちろん、金利低下も可能性としてはないことはありません。
その時は買わなければいいだけです。
なので、どういった局面においても、分散投資を選ぶ方が無難といえるのです。
★まとめ
地方債は、
「自治体にお金を貸し、その見返りとして利息を受け取る仕組み」
です。
比較的安全で、元本が保証されています。
また、間接的に地域社会や環境保護への貢献にもなります。
ただし、今後の金利上昇においては、「分散投資」を検討しておくこと。
このことを忘れないでください。
ちなみに、地方債も証券会社ホームページから購入できますよ。
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