★吉井理人ってだれ?

今回は本の紹介です。

「最高のコーチは、教えない」ディスカヴァー・トゥエンティワン 吉井理人(元千葉ロッテマリーンズ監督)

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著者の吉井理人さんは、元千葉ロッテマリーンズの監督です。

2025年シーズンで、チームが最下位に沈んだためシーズン終了後に辞任しています。

しかしながら、2023年から2025年シーズンまでの通算で、レギュラーシーズンが2年連続Aクラス、監督通算100勝を達成しています。

弱小チームを二年連続Aクラスに導いた功績は大きかった。

私はそう思っています。

私が吉井監督を応援していた理由は、単にプロ野球が好きだからということだけではありません。

吉井監督の著書を読み、氏の考え方に感銘を受けたからです。

そして、この本を将来教師や管理職を目指す方に読んでもらいたいと思ったのです。

この本を読めば、おそらく教師や管理職をされている皆さんなら誰しも、吉井氏の考え方に共感するのではないかと思います。

なぜなら、氏の考え方は「教育「育成」について、新たな知見を与えてくれるからです。

特に、コーチングについては、教師として、または管理職としての自分のあり方について考えさせられると思います。

吉井氏は現役時代は近鉄バファローズを皮切りに、日本プロ野球4球団、メジャーリーグ3球団でプレーしました。

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2007年に現役を引退してからは、野球解説者、3球団でコーチを経験しています。

また、2014年から、筑波大学大学院で野球コーチング論を研究し、修士の学位を取得しています。

やはり、一流の人というのは、常に学びを継続し探究しているのだとわかりますよね。

★教師も管理職もコーチングを学ぶべき

監督やコーチの仕事は、教師の仕事と共通している点が多いと思います。

どちらも、相手の能力を伸ばすことが仕事だからです。

この本で、吉井氏がニューヨーク・メッツでプレーしていた時のコーチの、ボブ・アポダカさんとのエピソードが紹介されています。

ほとんど何も教えてくれないアポダカコーチが、ある時、吉井氏に近づいてきたので、「アドバイスをもらえる」と思ったら、このようなことを言われたようです。

「おまえ以上におまえのことを知っているのは、このチームにはいない」

「だから、おまえのピッチングについて俺に教えてくれ

「そのうえで、どうしていくのがベストの選択かは、話し合いしながら決めていこう」

どうでしょう。

日本人には、少し違和感がありますよね。

特に、いかにうまく教えるか、いかに伝えるかが問われている教師や管理職からすると、

「おまえのピッチングについて、俺に教えてくれ」

なんて、

「責任放棄かよ!」

「職責を果たせ!」

なんて思ってしまうかもしれません。

しかし、このコーチとの出会いが吉井氏を変えたといいます。

そのころ日本では、コーチが自分の尺度で選手を見て、自分の尺度に合うように修正するのが一般的だったとのこと。

しかし、アポダカコーチは、吉井氏がどのようなピッチングをする投手で、
どんなピッチングをやりたいかをはじめに聞いてくれた。

その上で、その方向性に沿ったアドバイスをしようと考えてくれた。

この言葉を聞いて、吉井氏はこの国でやっていけるかもしれないと思ったと同時に、

アポダカコーチとの出会いが、氏のターニングポイントとなったと述べています。

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本来教師も、生徒に対して教えてばかりではだめです。

「あなたはどういう人になりたいのか」

「どういう生き方をしたいのか」

そういった「問い」を発しつづけなければ、生徒は考えるようにはなりません。

一方的な指示やアドバイスだけでは、人は育たないのだということをこのエピソードから学ぶことができます。

★振り返りの重要性

私はブログなどで、教師は力をつけたいと思うなら「振り返り」を習慣化してほしいと話しています。

吉井氏も、コーチ時代、ピッチャーの「振り返り」を大切にしていて、その理由として次のようなことを述べています。

吉井氏が選手時代、日本のプロ野球界では、試合後のミーティングにコーチが手帳を持って選手たちの前に立ち一方的に教えるのが常識だったようです。

たとえばこのような感じ。

コーチ:「あの場面の投球はあかんかった。次はこうしろ」

そして、選手も、

選手:「わかりました」

で終わり、深く理解しようとしません。

この米国のコーチとの育成方法の違いをどうにかしなくてはならない。

吉井氏は強くそう思っていたと述べています。

それで、具体的に吉井氏はどうしたかといいますと。

その日の試合で登板しない控えの投手に、登板している投手の試合内容を細かく見るように指示したのです。

そして、試合を細かく見た選手を新聞記者役に見立て、試合後、登板した投手に質問させたのです。

たとえば以下のようなやり取りです。

「今日のピッチングは自己採点で何点でしたか

「今日のピッチングで、良かった点はどこですか

「逆に、今日のピッチングで悪かったところはどこですか

「今日のピッチングで、課題だった点はどこですか

「失敗したと考えるシーンで、もしその場面に戻れるとしたら、どういうピッチングをしますか

「それをするために、どんな準備をしておいた方が良かったと思ういますか」

「それらを踏まえて、次の登板に向けて今後何をしようと考えていますか

いかがでしょうか。

登板した投手は、こういった質問に答えるために、客観的に自分の投球内容を振り返り、自己分析をするわけです。

記者役の選手も、自分が登板するときのことを考え、その対策を考えるようになります。

これが「振り返り」というコーチングです。

コーチが教えるのではなく、インタビュー形式で選手たちに問いかけ、試合を振り返えさせ、気づかせる手法です。

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これを、管理職が教師の育成に応用するとしたら、以下のようになるでしょう。

「今日の授業は自己採点で何点でしたか」

「今日の授業で、良かった点はどこですか」

「逆に、今日の授業で課題点はどこですか」

「課題点を修正するとしたら、どのようにしますか」

どうでしょうか。

この、「振り返り」のコーチングは、教育分野でも活かせますよね。

管理職から、一方的に課題点と修正の方向性を突きつけるよりも、この方が自己分析力が育ち、より良い教師育成ができると思いませんか。

このように、この「最高のコーチは、教えない」は、教育に応用できるヒントが満載です。

こんな素敵な書籍が、Kindle Unlimitedなら0円で読ませていただけるのです。

ありがたいですね。

ぜひご一読ください。

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